【ブログ第7回】アンデスの恵み、ペルー産コーヒーのポテンシャル

南米のコーヒー大国といえばブラジルやコロンビアが思い浮かびますが、その大国に隣接するペルーもまた、世界有数の優れたコーヒー生産国です。

個性豊かな中米の豆や、圧倒的な知名度を持つ近隣国に隠れがちですが、ペルーのコーヒーには、この土地でしか生み出せない確かな魅力が詰まっています。

■ 標高の高さが育む、硬く引き締まった豆

ペルーのコーヒー生産地の多くは、アンデス山脈の東側に広がる傾斜地に位置しています。標高は1,300mから、高いところでは2,000mを超える高地です。

この高標高ならではの激しい寒暖差が、コーヒーの生育をじっくりと遅らせます。時間をかけて熟した果実の中では、きゅっと引き締まった、密度の高い硬質な豆(スクリーン)が育ちます。この「芯の強さ」こそが、ペルー産コーヒーの最大の強みです。

■ クリーンでまろやかな、実直な味わい

ペルーでは、多くの小規模農家が伝統的なウォッシュド(水洗式)精製を行っています。豊かな山の湧き水を使って丁寧に洗われた豆は、雑味がなく非常にクリーンなカップに仕上がります。

  • 味わいのベース: すっきりとした口当たりの中に、マイルドでまろやかな甘みが広がるのが特徴です。際立った派手さよりも、毎日でも飲みたくなるようなバランスの良さと、質の高い酸味を持っています。

■ 深煎りにも耐えうるポテンシャルの高さ

この「クリーンさ」と「豆の硬さ」を併せ持っているため、ペルーの豆は焙煎士にとって非常に魅力的な素材です。

浅めの焙煎では、青リンゴや小ぶりな果実を思わせる爽やかな酸味が引き立ちますが、じっくりと熱を入れて深く焙煎を進めても、その芯の強さは崩れません。深煎りに仕立てることで、本来持っている質の良い甘みが質感のあるビターチョコレートのような深いコクへと変化し、力強い一杯へと姿を変えます。

産地の広大さゆえに、北部のチェンチャマヨや南部のプーノなど、地域ごとの個性も豊か。南米の豊かな自然が育んだその実力を、ぜひカップの中で感じてみてください。

【ブログ第6回】なぜ今、カフェインレスが人気なのか?

最近、お店でも「カフェインレス(デカフェ)」を選ばれる方が目に見えて増えてきました。

かつては「体質に合わないから」「妊娠中だから」と、どこか妥協して選ぶイメージが強かったカフェインレスですが、今は少し事情が変わってきています。

今、これほどカフェインレスが人気を集めているのには、明確な理由があります。

人気の理由①:ライフスタイルに合わせた「積極的な選択」へ

一番の理由は、買い手側の意識の変化です。「夜もしっかり睡眠をとりたいけれど、お気に入りのコーヒーを飲む時間は削りたくない」「夕食後のリラックスタイムに、体に負担の少ない一杯を楽しみたい」という方が増えています。 我慢するためではなく、自分の体調やライフスタイルに合わせて前向きに、そして日常の定番として夕方以降に切り替えるスタイルが定着してきています。

人気の理由②:デカフェ=物足りない、を覆す技術の進化

もう一つの理由は、劇的な「美味しさの進化」です。 当店で扱っている「メキシコ チアパス(カフェインレス)」は、まさにその進化を実感していただける豆の一つです。

この豆は、メキシコの清らかな氷河天然水を使用した「マウンテンウォータープロセス」という製法で、化学薬品を一切使わずにカフェインを99.9%除去しています。 浸透圧の仕組みを利用し、コーヒー本来の風味や旨味成分を豆の中にしっかりと残したまま、カフェインだけを狙って抜く技術です。そのため、かつてのデカフェにありがちだった「味の抜け」や物足りなさがありません。

豆本来の個性を楽しむ「中煎り」で仕上げる

一般的にカフェインレスは、加工による味の平板さをカバーするために深く焙煎されることが多いのですが、当店ではこのチアパスをあえて「中煎り」で仕上げています。

中煎りにすることで、チアパスの豊かな土壌が育んだキャラメルのような甘い香りと、オレンジやアプリコットを思わせるみずみずしく優しい酸味が、心地よく顔を出してくれます。

口当たりは非常に滑らかで、後味には雑味がなく、すっきりと綺麗な余韻が残ります。目隠しをして飲めば、カフェインレスだと気づかないほどのクオリティです。

ブラックはもちろん、少量のミルクを合わせてもトゲのない、まろやかな味わいを楽しめます。

お仕事終わりのひとときに、または休日の読書のお供に。 「美味しいから選ぶ」という新しいカフェインレスの選択肢を、ぜひ一度お店で試してみてください。

【ブログ第5回】完熟ベリーが「キャラメル」に変わる。ルワンダ・シェンダジュルの誘惑

■ 1. 女性たちの手仕事、標高1,700mの結晶

ルワンダの険しい山岳地帯。一粒ずつ、宝石のように真っ赤なチェリーを摘み取る女性たちの姿があります。 「Women’s Hands(女性の作り手たち)」 彼女たちの細やかな情熱が、この一袋に濃密な糖度を宿らせました。

■ 2. 完熟果実が「キャラメル」へ昇華する瞬間

通常、ルワンダのナチュラルは華やかな酸味を楽しむ「浅煎り」が主流です。 しかし、今回私たちが選んだのは「中深煎り」。

その理由は、この豆に秘められた圧倒的な糖度を、焦がしキャラメルのような芳醇なコクへと変化させたかったからです。


■ 3. 味わいのプロファイル:甘みのグラデーション

お湯を注いだ瞬間に広がるのは、完熟プラムの芳醇な香り。 しかし、口に含んだ瞬間に主役は「甘み」へと移り変わります。

  • キャラメル・ノート: ナチュラルのフルーティーさが、火入れによって「キャラメルやブラウンシュガー」を思わせる濃厚な甘みへ。
  • 質感: 中深煎りならではの、ビターチョコレートのように滑らかで密度のあるボディ。
  • 余韻: 飲み終えた後、香ばしく甘いキャラメルの余韻が、いつまでも心地よく喉に居座ります。

■ 4. 贅沢な時間を、この一杯とともに

力強さと上品さが同居した、まさに「大人のためのキャラメル・リッチな一杯」。 仕事終わりのリラックスタイムや、甘いスイーツと合わせるひとときを格別に彩ります。

「華やかな果実味を、とろけるようなキャラメルのコクで包み込む。」

中深煎りだからこそ到達できた、ルワンダ・ナチュラルの“甘みの新境地”をぜひご堪能ください。


■ 商品情報

  • 産地: ルワンダ 西部州 カロンギ郡
  • 精製: ナチュラル(Natural)
  • 焙煎: 中深煎り(Medium-Dark Roast)

黄金の実が奏でる濃厚な甘み「ブラジル パッセイオ イエローブルボン PN」

今回、ブラジルの名門「パッセイオ農園」から、非常に魅力的なコーヒー豆を入荷しました。 その名も「ブラジル パッセイオ イエローブルボン パルプドナチュラル」。

少し専門的な名前ですが、実はこの豆、「品種」と「精製」の両方に、美味しさの秘密が隠されています。


1. 希少な黄金のコーヒー「イエローブルボン」

通常のコーヒーの実は熟すと赤くなりますが、この品種は鮮やかな黄色に熟します。

  • 特徴: 一般的な赤い実の品種に比べ、糖度が非常に高いのが最大の特徴です。
  • 希少性: 栽培が難しく収穫量も限られるため、ブラジルコーヒーの中でも特別な「黄金の実」として珍重されています。

2. 伝統製法の「いいとこ取り」をした精製法

コーヒーの実から豆を取り出す工程を「精製」と呼びますが、今回の豆は「パルプドナチュラル」という、手間暇のかかるハイブリッドな手法で仕上げられています。

世の中の主な精製方法と比較すると、その良さがよくわかります。

  • ウォッシュド(水洗式) 水で洗って果肉を完全に落とす方法。「スッキリと透明感のある味」になります。
  • ナチュラル(自然乾燥式) 実のまま天日干しにする方法。果実の糖分が豆に移り「濃厚な甘みとコク」が出ます。
  • パルプドナチュラル(今回の方法) 皮を剥いたあと、甘みの塊である「果肉の粘り気」を残したまま乾燥させます。 いわば「ウォッシュドの雑味のなさ」と「ナチュラルの深い甘み」のいいとこ取り。透明感のある後味と、濃厚なコクを両立させた職人技の製法です。

カフェグートが「フレンチロースト」で届ける理由

この「元々の糖度が高いイエローブルボン」を「甘みを凝縮させるパルプドナチュラル」で仕上げた豆。そのポテンシャルを最大限に活かすため、当店ではフレンチロースト(深煎り)に仕立てました。

深煎りにすることで、パルプドナチュラル由来のどっしりとしたボディ感が引き立ち、口に含んだ瞬間にチョコレートやキャラメルのような甘い余韻が広がります。


豆のプロフィール

  • 農園: パッセイオ農園
  • 品種: イエローブルボン(希少な黄色の実)
  • 精製: パルプドナチュラル(甘み凝縮製法)
  • 焙煎: フレンチロースト(深煎り)
  • 味わい: 重厚なコク、ダークチョコのような甘い香り、滑らかな口当たり

寒い季節、温かいカップから立ち上る香ばしい香りと、喉を通ったあとに続く甘い余韻。 贅沢なひとときを、ぜひ当店でお楽しみください。

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

2050年、私たちは何を飲んでいるだろう?

いつもカフェグートのブログをご覧いただき、ありがとうございます。 米沢で日々、豆と向き合いながら焙煎をしている私ですが、最近気になるニュースを目にしました。

皆さんは「コーヒー2050年問題」という言葉を聞いたことがありますか?

☕️ 2050年、コーヒーベルトが消える?

地球温暖化の影響で、2050年までにアラビカ種の栽培適地が現在の50%まで減少してしまうといわれています。

今、私たちが毎日当たり前のように楽しんでいる一杯が、将来は手に入りにくい「超贅沢品」になってしまうかもしれない。これは、コーヒーを愛する者にとっても、提供する側にとっても、非常に切実な問題です。

🌾 山形・庄内から届いた「驚きのニュース」

そんな中、地元・山形の庄内町から面白いニュースが飛び込んできました。 使われなくなった上水場をリノベーションして、「玄米デカフェ」のロースタリーを設立するプロジェクトが始動したそうです。

「お米のコーヒー」と聞くと、昔からある玄米茶のようなものを想像するかもしれませんが、この記事にあるのはもっと進化を遂げたもの。 なんと、コーヒーと同じように「シングルオリジン(品種別)」でお米の個性を楽しむスタイルだといいます。

  • 「つや姫」なら、マイルドでバランスの取れた味わい。
  • 「あきたこまち」なら、本来の甘みが際立つ香り。

お米を「食べる」だけでなく「飲む」文化として再定義し、日本の稲作文化を守りながら、コーヒーの代替品としての可能性を広げる——。 同じ山形で焙煎に携わる一人として、この挑戦にはとてもワクワクします。

🕊️ これからの「豊かな時間」のために

コーヒー豆の供給不足や価格高騰は、確かに不安なニュースです。 しかし、一方でこうした「新しい選択肢」が生まれることで、私たちの楽しみ方はもっと多様になっていくのかもしれません。

当店「カフェグート」でも、一粒一粒の豆を大切に焙煎し、今の豊かな時間を守り続けていきたいと考えています。同時に、こうした新しい文化にも目を向けながら、皆さまに「最高の一杯」を届け続ける方法を模索していきたいですね。

10年後、20年後のカフェで、 「今日はコーヒーにする? それとも玄米デカフェにする?」 なんて会話が当たり前になっている未来を想像すると、少し楽しみになりませんか?

これからも、変化する時代の中で変わらない安らぎをお届けできるよう、精進してまいります。

【新商品】カリブの風が育む、エレガントな甘さと優美な酸味ードミニカ バラホナ ティピカ AA

【特徴】カリブ海に浮かぶドミニカ共和国。その南西部・バラホナの高地で育まれた、伝統品種ティピカのやさしい一杯。レモンやマスカットのような爽やかな酸と、はちみつを思わせるやわらかな甘みが引き立ちます。まるで初夏のそよ風のような、軽やかでクリーンな口当たり。自然の恵みを感じる、心ほどけるひとときをどうぞ。

【こんな方におすすめ】
「華やかな香りや酸味が好きな方」
フルーティーで明るい酸味、花のような香りが楽しめるので、エチオピアやパナマのような華やかなコーヒーが好きな人にピッタリ。

「落ち着いた時間を丁寧に楽しみたい方」
派手ではなく“じんわり系”。読書や作業、静かなカフェタイムなど、ゆっくり過ごす時間のお供に最適。

「お菓子と一緒にコーヒーを楽しみたい方」
シフォンケーキやスコーン、はちみつ入りのお菓子との相性◎。コーヒー単体でも美味しいけど、甘いものと合わせるとより引き立ちます。

「酸味があるコーヒーは苦手…だけど挑戦してみたい人」
酸味が“キリッと”ではなく“ふわっと”していてまろやかなので、「酸味ってこういうことか」と良い意味で印象が変わるかもしれません。

【カリブの風が育む、エレガントな甘さと優美な酸味】
カリブ海に面したドミニカ共和国の南西部、バラホナ地域で育まれたスペシャルティコーヒー「ティピカ AA」。標高1,000〜1,500mに広がる豊かな自然と、穏やかな気候、そして山々に抱かれたミクロクライメット(局地気候)が、この豆に独自のキャラクターを与えています。

主にティピカ種を使用し、手間のかかるウォッシュド(水洗式)プロセスで精製されたこのロットは、クリーンなカップと繊細なフレーバーが際立つ逸品です。丁寧に収穫・選別され、天日でじっくりと乾燥されることで、豆本来の風味がよりクリアに表現されます。

産地:​バラオナ(Barahona)
標高:約1,000〜1,500m
品種:​ティピカを主体に、カトゥーラやカチモールなど
精製方法:ウォッシュド
乾燥:天日乾燥

【母の日】心ほどけるコーヒー時間を贈りませんか?ー午後のまどろみ BLEND

日頃の「ありがとう」を、やさしい一杯に込めて。
ほっとひと息つける午後の時間に、まどろむようなやさしい香りを贈ります。
大切なお母さんへ、癒しのコーヒーギフトを。

ナッツのような香ばしさが広がるブラジルと、
やさしいコクをもつグァテマラを合わせ、
まどろむような穏やかさと、ほどよい満足感を引き出しました。

お菓子とともに過ごす、午後のティータイムにぴったり。
心ほどけるコーヒー時間を贈りませんか?

【数量限定珈琲】コロンビア ナリーニョ トロピコ・スル ウォッシュド

トロピコ・スルは、ナリーニョ県サンロレンソ周辺の25の小規模生産農家による高品質なスペシャルティロットです。彼らの母体となるTERA COFFEE SASは、2015年に設立された若い生産者グループで、ウイラ県とナリーニョ県を拠点として、高品質なスペシャルティコーヒーの生産に取り組んでいます。ナリーニョ県には140名、ウイラ県には120名のパートナー農家がおり、それぞれの県で【Ecoterra(ナリーニョ)】【TERRAVERDE(ウイラ)】という生産者組合として活動を行っています。
2015年にコーヒー生産に従事していたウベマル・ラッソ氏が小さなコーヒー農家でも直接市場に対して取引を行える事を目標に家族経営でTERA COFFEEを設立し、地域の仲間と生産者組合を作り、活動をしてきました。ウベマル氏は、品質を向上させ、マイクロロットを市場に出すことで、生産者とその家族の生産するコーヒーの価格を上げるだけでなく、生産者の仕事に対するプライドを高めること、そして小規模農家がその限られた土地や生産能力の中でも幸福になれるために力を尽くしています。

【特長】その名前の通り、トロピカルフルーツやマンダリンオレンジなどのプロファイルを持ち味としており、ナリーニョらしいフルーティでボディ、ビターチョコレートのような甘さの印象的です。

農園:エコテラ生産者組合
生産者:25の小規模生産農家
標高:1800-2100m
品種:カツーラ、カスティージョ、コロンビア
生産処理:ウォッシュド

【デカフェ】メキシコ チアパス カフェインレス

メキシコのスペシャルティがもたらす爽やかさ

「デカフェコーヒー」の作る方法は色々あります。

一般的な方法は「水抽出法」豆を水又熱湯に浸して成分を抽出。その後、カフェインだけを選択時に除去する方法です。

当店が扱っている「メキシコ チアパス カフェインレス」は独自の方法である、

「マウンテンウォーター製法」

水抽出法の一種になるのですが、豆からカフェインを移動して除去する際に特別なタンクで加圧、加熱をします。メリットは安全で環境に良い事があげられます。

・手順

①コーヒー豆を水に浸して成分を抽出

②抽出した液体からカフェインのみを濾過で除去。

③新しいコーヒー豆をカフェインレスの液体に浸す。

④豆からカフェインが移動して除去される(その際、加圧、加熱)

⑤この工程を繰り返し、99.9%フリーの豆ができる。

世界でも数少ない有機デカフェ工場

【メキシコ チアパス カフェインレス】

特長:キャラメルや黒糖を思わせる甘いアロマを基調に、オレンジやアプリコットのようなフレーバーやアシディティがあり、甘いだけでなく、爽やかさもあります。

【数量限定】ブルンジ キビンゴ・ウォッシングステーション

キビンゴ・ウォッシングステーションでは、周辺の18集落に暮らす約3500名のファーマーが生産したコーヒーが集まっています。COEでも毎年の受賞、2017年には1位を獲得するなど、高い標高の恩恵を受けた素晴らしい風味と安定した品質が世界中で注目を受けています。


彼らが高品質なコーヒーを実現してきた要因に、適切なチェリーの評価体制があげられます。農家が手収穫して自転車で持ち込まれたチェリーは、まず水の入った樽に入れ、フローターの確認・除去がされます。その後、チェリーを選別テーブルで再度手選別、フローター以外の未熟チェリーを除去します。

【特長】チェリーやアプリコットのような華やかなフレーバーとチョコレートやココアを感じさせる甘い風味。アフターテイストも甘い余韻で終わり、カップ全体を通してマイルドなコーヒー。

農園:キビンゴ・ウォッシングステーション
生産者:3500名18集落の生産農家(運営GREENCO)
標高:1893m
品種:ブルボン
生産処理:フリーウォッシュド